レスキュー訓練、まだまだ続けています 08.07.07
レスキュー訓練を続けています。熊野川はウォータージェット船などによる遊船事業が、歴史的に発達しているため、全国的にも親水性の高い水系といえます。カヌーやさまざまな船あそびを楽しむ人、水遊びをする人がほかの河川よりもダントツに多いのです。
なみまくらではそういった一般的な「川あそび」を楽しまれる方々と、なかなか遭遇することがないわけ(時間と場所を意図的にずらしますので…)ですが、やはりこういった訓練、練習で川であそぶ皆さんの事故、遭難に備えておく必要があります。
河川でのレスキューとは、一般的に急流救助と呼ばれるジャンルになります。これらの救助ジャンルが世界的に発信されてから、実は30年ぐらいしか経っていません。しかし、自然災害の大規模化、都市型災害の危機管理などの理由から、急流救助の重要性は世界的に知られるものとなり、ニーズが高くなっています。
私たちアウトドア事業者が、もっとも直接的にお役に立てる社会貢献活動が急流救助と考えています。ですので、しっかり訓練を繰り返します。しかし実際のところ、お役に立てるチャンス(いわゆる事故、遭難など)は、無いほうがいいわけです。
梅雨の幻想空間とレスキュー訓練 08.06.23
今シーズンの熊野川…今のところ極端な増水もなく、穏やかに豊かな水量が懇々と流れています。この梅雨の期間、山中にはたくさんのガスが発生し、山と川が霧のなかで混沌とするような、まことに幻想的な景観を楽しむことができます。
自然に溶け込んでいくような実感…これもまさに「熊野との対話」です。にぎやかで陽気なアウトドアももちろん楽しいのですが、自分を見つめなおす機会のひとつとして、あなただけの「熊野詣」はいかがですか?
さて、この梅雨による「少しばかりの増水」を利用して、なみまくらでは急流救助訓練を実施しました。米国防災協会NFPA1670基準に準拠したRESCUE3(レスキュー3)のSRT(スイフトウォーター・レスキュー・テクニシャンレベル)のトレーニングです。
水遊びのシーズン開幕に向けて、いつ、どのような所で危険な事故現場に居合わせることになるか分からない「水際での仕事」を生業とする私たち。最新の救助技術情報の更新と、練習はひとつの日常業務なのです。
流水救助とはいったいどういうものなのか?「なみまくら」ご参加の折、もしご関心があるようでしたらお尋ねください。これからも積極的に水辺で遊んでいただくうえで、役立つお話ができると思います。
熊野川の秘密、観光ダム放流スタート 08.05.01
今年も北山川観光筏下りのシーズンがやってきました。例年通り4/29に試験放流がスタートしています。はっきりと水位の変化が見て取れるのが、下の写真のグラフです。熊野川(北山川)の夏の水位はグラフのように「まるで心電図」のように、毎日変動します。観測点は九重です。
グラフ左側の4/25(金)の一番高い水位、約1mで、これは先週の低気圧がもたらした雨による水位増加で、ダムのゲートに加えて支流からの増水もあったというサインです。その後の4/26(土)から4/28(月)までの3日間は通常の水位。ただし、上がったり下がったりするのは、そもそもウォータージェット船が運航するために昼間時間帯は一定量の放水を行っているからです。
夏の水位、つまり観光筏下りに対応した夏の観光ダム放流の状態が4/29(火)からの水位で、ピーク時(午前11時〜12時前後)80cmぐらいを示しています。この期間、ようやく熊野川は自然な川の状態に近づく(?)わけです。
今日、日本のほとんどの河川の上流が、ダムによってロックされています。熊野川も例外ではなく昭和40年に運転開始した小森ダムをはじめ、七色、池原…と執拗なぐらいダムがあります。普通なら、これらに完全にせき止められ、施し程度の水量で「川が死ぬ」ケースが多いわけです。しかし、熊野川にはウォータージェット船、観光筏くだりがあるため、定期的な放流が維持されているのです。
もちろん、小森ダムにコントロールされた人為的な放流であり「自然な状態」ではありません。しかし、この観光放流によって水中や周辺の生態環境が維持されています。もともと、生活・物流の足であったウォータージェット船、筏についてはいうまでもありません。熊野川は特殊なケースなのです。
このようにして、近代化によって劇的な景観・環境変化を受けることなく、瀞八丁、瀞峡はむかしと同じ表情を見せてくれるわけです。観光放流は苦肉な現実であり、熊野川の秘密といえるでしょう。ダム開発以前の景観を堪能できるカヌーの旅…国内において、実はそれほど存在しません。
入鹿八幡宮で野生のキジ(日本雉)を追う 08.04.14
雉鍋、キジどんぶりなど、キジ料理を特産としている熊野市紀和町。実は約1万6千平方メートルにもおよぶ野外飼育場を管理するなど、キジ肉の生産について本格的なのです。キジ肉は鶏肉に比べ蛋白質が多く、脂質が少ないローカロリー食品であり、あっさりしたジビエです。
先日、入鹿八幡宮に参ろうと境内に近づいたところ、目の前を雄の日本雉が疾走していくではありませんか!目前の芝生を横切るかたちで目撃できたので、首周りの青緑色のラインと目の周りの赤が印象的に焼きつきました。写真に収めようと追跡劇がはじまりましたが、やはり相手は野生の鳥、一旦草むらへ身を隠した後、大空へ元気に飛び出しました。こんな人里(といってももちろん山間部ですが)に日本雉が走り回っているというのも、熊野ならではのお話です。
(財)紀和町ふるさと公社のホームページによると、日本雉の放鳥も行っているということですから、もしかしたら放鳥されて一旦山のなかに住み、何を考えたか里に帰ってきたキジだったかもしれませんね。
キジ肉を新鮮な野菜と一緒にダッジオーブンで煮込む…旨いでしょうね、焼酎にあうでしょうね。なみまくらでもキジ肉のレシピ、積極的に考えます。上の写真はキジが写せなかったので…入鹿八幡宮のかわいい狛犬さんです。
●(財)紀和町ふるさと公社「わしらの自慢 きじ肉」
http://www.za.ztv.ne.jp/furusato/kiji/kiji00.html
●こちらでも味わえます「民宿 大和屋」
http://www.ztv.ne.jp/lttxwy7s/yamatoya.htm
熊野BOOKの“熊野年表”作成中08.03.25
熊野BOOKに掲載する予定の「熊野年表」の作成にとりかかっております。熊野の現地で出逢う、自然について、文化についての驚きを、訪問前の期待感とともに膨らまし、ちょっとばかり熊野についての機会が深まれば…そんな参考資料をめざしています。
調べはじめて実感するのですが、神武東征などの神話時代から南北朝時代ぐらいまでは何かと書籍も多いですし、情報入手に事欠きません。しかし江戸時代を超えて、明治時代の神仏分離令以降の近代史では、熊野三山に関する資料が手に入りにくく、戦前までの間の事象がつかみにくいのです。年表のスタイルが一変してしまい、少々苦戦しております。この時代は近代化に伴い殖産興業の勃興や、軍事化の流れで熊野が激変している時代なのでしょう。もう少しいろんな角度から資料を集めてみようと思案中です。
いずれにせよ、これまでに知られていない(少なくとも私どもが知らなかった)出来事や、現地の景観や文化で感じていた疑問の解消につながる事実や、新たな謎がたくさん浮かび上がってきています。「熊野年表」を掲載した熊野BOOK、ご期待ください。
欅(ケヤキ)の応量器(おうりょうき) 08.03.01
熊野の幸を存分にお楽しみいただく、なみまくらの食事。その折にお楽しみ頂ける器のひとつが、この欅の応量器です。ちょっと小ぶりのどんぶりサイズに、椀と皿あわせて6枚が収納された、大変合理的な和の食器で、木曽漆器「古澤漆器店」によるものです。
応量器とは梵語はパートラ(Patra)とされる、禅宗の修行増が使用する個人の食器です。禅宗においてはこの食器の活用にも細かな決まりごとがあり、一番大きな器には粥を受け、次の大き差の器には汁、その後順に香菜、副菜などといったルールがあります。旅において活用し、同宗のどのお寺に参拝しても、同じルールで食事をいただくのでしょう。
野外料理ではアルミやプラスティックの食器が一般的ですが、なみまくらではこの欅の応量器をはじめとして、木製の器を選んでいます。ちょっと昔の日本ではそれが当たり前でしたし、欅や檜といった素材が、盛った料理をさらに美味しくしてくれるからです。
取引先メーカーのスノーピークさんでも「応量器」をアウトドア用品として、ずいぶん以前より取り扱われています。ピクニックなどで活用するなら、こちらがお手ごろでお勧めです。木の器はもちろん、応量器に見られるような精神性、合理性も大切にしていきたいものですね。
●スノーピーク「雪峰ワンセット」
http://www.seppou.jp/04seppou.html
雪の吉野水分神社に豊水祈願08.02.20
桜ならぬ、吹雪舞散るなか、今シーズンの熊野川および周辺での、ゆたかな水量を祈願すべく、世界遺産の「紀伊山地の零場と参詣道」スタート地点に鎮座する、吉野水分(みくまり)神社に足を運びました。吉野水分神社は水の分配を司る天之水分大神を主神とし、7柱を祀っています。
豊臣秀頼が再建したという本殿、桜門、拝殿は桃山形式とされるもの。上の写真は「世界遺産切手シリーズと同じアングルで撮影したつもりです。切手に見られる桜のシーズンとは、佇まいが全く異なります。しんしんと雪の積もる景観に、なんともいえない厳粛な気持ちにさせられてしまいました。
桜のシーズンは大変な混雑で有名な吉野山。こんな冬の時期、そしてもみじの時期、お運びになられてはいかがですか?一般的に知られているイメージとはまた違う、新鮮な景色・景観に出会うことができるでしょう。おすすめです。
熊野川(北山川)の源流部というと言う意味では厳密には大台ケ原山系であり、吉野水分神社とは地理的にエリアが異なりますが、まあ、大峰奥駈け道・入峯修行つながりとしてこちらに豊水祈願させていただきました。2008シーズンに向けてなみまくら、そろそろ本格始動です。
フジタカヌーの組み立て研修07.12.12
オフシーズンに突入した今、なみまくらの使用艇であるフジタカヌーの組み立てについてレベルアップ、時間短縮を図るため、京都府相楽郡笠置にありますフジタカヌー研究所を訪問し、トレーニングを行いました。お客さまにカヌーについての説明をしながら、お客さまと一緒にファルトボートを組み立てるには、「テンションをかけないフレームの組み方」や、「効果的に船体布にフレームを挿入できる立ち居地」などのちょっとしたコツがあるのです。
今回はフジタカヌーの亮(たすく)さんにやさしくレクチャーを受けて、これらをマスターすることが目的です。目標時間は一艇を15分で組み立てること。何度も組み立てては、収納しなおす作業をガイド全員で練習します。なかなか大変ですが、清(きよし)社長とのお話も交えて楽しい研修となりました。
ちょっと見た感じで、すごく複雑そうに見える折りたたみ式カヌーの組み立てですが、なんのなんの、お客さまも興味本位で挑戦できます。そして絶対“欲しく”なります。なみまくらでは“自分自身でカヌーツーリングに行く”楽しみをお伝えしますので、このカヌーの性能を120%引き出すあそび方をご紹介します。
シーズン到来!モクズガニのがん汁07.10.08
東北方面ではヤマタロウ」(山太郎)、関東では「ツガネ」などと呼ばれるモクズガニは、ここ熊野ではズガニの名で親しまれる秋の味覚です。昔は高知の仁淀川などと同じようにたくさん収穫され、街道沿いのお店で販売されていることも多かったのですが、残念ながら最近、そんなお店はなかなか見かけられません。
ズガニは川の水温が下がりはじめると河口の汽水域に下って交尾をし、短期間で産卵するようで、卵をいっぱいに抱いたメスが、まあ、おいしいわけです。アユとならんで今日もおいしく頂くことのできる、数少なくなった川の幸です。熊野川本流でも観察できることがありますが、やはり支流である板屋川や葛川、玉置川の方が、発見できる確率が高いように思えます。
カヌーなどの川遊びでは、このモクズガニとテナガエビ(こっちは初夏です)なんかを食べるツアーなどが、昔は開催されていました。捕まえたものを塩茹でにし、キャンプでの秋の楽しみとしたのですが、最近そんな“渋い”アウトフィッターは少なくなりました。もちろん、なみまくらでは秋のメニューの一部になっており、海産のカニと異なる独特の甘みの強いかにみそを味わっていただけます。
以前、生きたまま殻ごとすりつぶし、それを水にさらしてザルで漉し、醤油味の汁に仕立てる「がん汁」というものをお店で頂き、そりゃぁもうはらわたひっくり返るほどおいしかった記憶があります。熊野の力を身体に取り込む(再生力)意味で、このがん汁のレシピをマスターし、なみまくらにおいてお客さまに提供できたらと考えております。
熊野川の小鷹網漁07.09.02
熊野川一帯、それも熊野市紀和町には伝統漁法として「小鷹網漁」が残っています。アユを対象としたものなのですが、ちょっと変わっております。
川の流水に設置する、いわゆる「刺し網」のやや短いものを、ここぞと思うアユが泳いでいるポイントへ投げ込み、ゆっくりと引っ張りあげて捕獲するというもので、空中に広がった網が左右いっぱいに膨らんだ様子が、鷹が両翼を広げたように見えるためにその名がついたものと思われます。
「なんで刺し網を広げて投げるのか?」という点は、正直よくわかりません。刺し網を設置するのが定番ではあるが、アユの場合、簗などの設置が一般的。しかしこれは複雑な漁業権のシステムのなかで、それなりの既得権益を持っていないと設置できません。だから刺し網を投げる?というのも合点がいきません。だって、それなら投網の方が合理的でしょう。
刺し網のサイズで投げることによる何がしかのメリットがあるようです。同じ伝統的な漁法が、和歌山、奈良両県にはさまれた紀ノ川にもあると聞きます。この珍しい、伝統漁法「小鷹網漁」に挑戦できる“体験プログラム”が紀和町の入鹿温泉瀞流荘で準備されていましたが、今年の回は終了しました。「川えび採り体験」は定期的に実施されているので、それもまた一興という方はチャレンジされてみてはいかがでしょう?
伝統漁法はもちろん、川の漁師さんの生業には大きな変化が見られます。観光漁業へのシフトチェンジがすべて有効とは決していえませんが、伝統的な生活文化を少しでも継承、保全していくという意味では大きな価値があると思います。漁業組合さんとも調整していただいて、この「小鷹網漁」をもっと発信していくべきではないでしょうか?
●入鹿温泉瀞流荘
http://www.ztv.ne.jp/irukaspa/seiryusou/index.html
そういえば、紀和町の火祭りが来週末の9/8(土)に延期されていました。なかなか風情のある川原の花火で
公式採用カヌー「フジタカヌー」について07.08.27
創業50余年のフジタカヌーは、日本のカヌー業界を支えてきた老舗メーカーであり、個人的なハンドメイドを除けば国内で製造されるカヌーがほとんどない今日、木とグラスファイバーなどの素材で組み合わされたファルトボート(折りたたみ式カヌー)を作り続けている、職人気質の稀有なメーカーです。
キャンプ道具や衣服を積み込んで、自由自在に川や海をツーリングするのに最適なファルトボート。なみまくらでは“自分自身でカヌーツーリングするような”楽しみを味わっていただきたいので、このファルトボート(折りたたみ式カヌー)を採用しています。また、国産のフジタカヌーは熊野川の自然環境に適しており、製品にこめられたフジタカヌーの思いや願いを私たちが代弁することができ、一層深いカヌーの楽しみに触れることができます。
国産ファルトボートを作り出す情熱、歴史、その研究成果としてのフジタカヌーのストーリーについてはフジタカヌー研究所の公式サイトをご覧ください。
●フジタカヌー研究所 http://www.fujitacanoe.com/
極上のアウトドア:鯛そうめん07.08.27
川原で行うアウトドア。残暑の定番お料理は鯛そうめんです。
大量の水と氷を使うことになるそうめんは、アウトドア料理としては禁じ手の一つかもしれません。特にアウトフィッターが提供するレシピとしては…しかし、暑さ厳しい時にはツルツル入る涼しげな料理を作るのもいいものです。
鯛そうめんには塩焼きでかりっとしたタイを添えるだけ…という豪快なものもありますが、タイの煮汁にそうめんをくぐらせるという手の込んだ料理法もあり、後者のほうがそうめんにタイの風味がしみこみ、一層おいしくなるような気がします。
もちろん、なみまくらではタイを煮るタイプの鯛そうめんを提供します。タイは尾鷲のトレトレを、熊野の市場で入手したもの。足元だけ熊野川の清流につけていただきましょう。最高の暑気払いです。熊野の自然を身体に取り込むことができますように…
今週末の熊野では、ニホンザル3匹、ニホンジカ6頭、ノウサギ1羽など哺乳類と遭遇しました。
おみやげに北山村のじゃばらドリンク07.08.23
ずいぶん以前から北山川のお土産として使わせてもらっている「じゃばらドリンク」。さっぱりしておいしい柑橘系のドリンクです。今回も買ってまいりました。最初に購入した記憶が、確か17〜8年前(もっと大きな瓶入りでした)ですから、今にして思えば、あの有名な“ごっくん馬路村”より早かったのかもしれません。
「じゃばら」と検索してみると、北山村の直販サイトなどが並び、驚いたことに「じゃばら」の直販は今期出荷分はほとんど売り切れということ。まだこれから果実に色がつく…そんなシーズンなのに。北山村の皆さんのブランド発信努力が実ってきている…そんな印象を受けます。
ウィキペディアによると
== 以下、その記事の引用抜粋 ==
「北山村原産で、同地のみで産する果実である。柑橘類の一種で地元の柑橘類の自然交雑によって生まれた。じゃばらの名前は「邪」を「祓う」ことから名づけられたといわれかつては北山村では正月料理にも出されていた」
== 以上、引用抜粋 ==
ということで、固有種なんですね。
花粉アレルギーの原因とされる脱顆粒現象の抑制に効果があると、とある学会において発表されたことがブームの牽引になったようです。よかったよかった。「飛び地の村」、「筏下り」、「じゃばら」が北山村の三大ブランドです。花粉症の皆さん、じゃばらをお買い求めください。ただし、来年の分ね。
じゃばらドリンクは通販でも購入可能。また、有名な筏下りでも、お1人一本づつ今年よりサービスされています。
●じゃばら村直販サイト(北山村販売センター)
http://www.kitayamamura.com/
●筏くだり船頭日記
http://blog.murablo.jp/ikadashi/
なぞの野生動物07.08.06
ホームページのリニューアルにむけて、なみまくら関連の写真を整理していると…出てきました。ふしぎな写真が。一年前の9月、熊野市紀和町、板屋川の川原(キャンプ予定地に近いんだこれが)で撮影したもので、下の足は私のもの。この足跡はさてさて…
きちんと指が出ているところから、ニホンジカ、ニホンカモシカではない。間違ってもウサギやキツネではない。このあたりは多いのですけどね。イノシシ?歩幅が違う…やっぱりニホンザル?とも思えなくはないのですが、ちょっと大きすぎる…では、では?
まあ、こんな人里近いところにそれはないやろー!とたかをくくって、そのままにしておいた写真でした。確かに熊野には独立したツキノワグマのグループがあり、かなり頻繁移動しているとのこと。いないわけではないだろうし…でもまあ、このサイズだとすると仔熊か?
改めて考えると、今年にはいって木材価格の上昇を受け、ようやく人工林の伐採が再稼動をはじめた吉野、熊野、尾鷲…。私たちの経済(日常?)活動が、何がしかの新しい動きをはじめると、当然ビビッドに野生動物たちの生活に影響をおよぼします。伐採による山林の変化があるのかもしれません。キャンプをしていても、今年は川原にかなり近いところにニホンジカの気配を感じます。クマが降りてくる何がしかの理由があるのでしょうか?
こちらは北山村の林道にある看板。
一昨年から掲出されています。
はじめてのお客さま07.07.10
あいにくの雨の3日間、なみまくらでは最初のお客様をお迎えしました。
「またカヌーに乗りたい!」と、帰り際に力強くおっしゃっていただけました。ありがとうございます。
3日間はとにかく雨。
しかし、そんな天候のなかでも熊野川はすばらしく、写真のように水面に霧がかかり、幻想的な世界に誘ってくれました。まるで奇岩が成型された、太古の時間に吸い寄せられていくようです。当たり前ですが、近づいていけば霧は遠のき、決してそのなかに入ることはできません。
しかし、ふっと我にかえって後ろを振り返ると、前方と同じように霧が立ち込めているものです。
ゴルジュ帯の岩石と、熊野川、カワサツキたちの吐息が霧になっているような、ふしぎな錯覚味わえました。
味わうといえば、熊野の空気を取り込んでお出しした料理は多数。
なかでも写真の「尾鷲朝獲りイサキの夏野菜蒸し」を気に入っていただけました。フライパンに乗るサイズの夏イサキは、こうやって食べるのがベスト!と料理長一押しの魚料理でした。
なみまくら研修のまかない07.06.17
まかないメニューをご紹介します。
この日は全体的なタイムテーブルチャックや、季節変動に伴うキャンプサイトの設置位置の確認などで非常にあわただしく、調理などに時間が取れなかったことから、簡単な夕食となってしまいました。
しかし、旨い。
こんな時間がないときほど、ダッヂオーブン料理に感謝することはないです。ベースキャンプで調理長が片手まで作ってくれた「鳥とニンジンとジャガイモ」いれただけという料理。もう一品ジャンバラヤも作ってくれました。
ダッヂオーブンのワイルドさ、素朴さというのは捨てがたい魅力があります。この魅力も感じていただきたいと思うわけです。
現在、次にステップとして多様なダッヂオーブン料理を検証しております。
紀和町のシャガが咲いている07.05.20
林道から少し外れた、南向きの斜面に、ひっそりとシャガの花が咲いています。
紫がかった白い花びらの群生は、ほかの野草に比べ“清楚”に見えます。シャガは咲いている期間そのものが短く、年間を通して梅雨前の2週間ぐらいではないかと思うのですが、そのはかなさが“清楚”という印象を持たせてくれるのかもしれません。
クルマに乗って通過していれば。ちょっと出会うことのできない山野草。川沿いで見ることも少ないため、この時期に来てくれたお客さま、トレッキングの折にご紹介することができるかもしれません。
北山村第二小学校07.05.19
またまた、熊野に入ってます。何かと準備作業がありまして。
小森ダム沿いの、車で走りやすい道がありまして、前からここに二宮金次郎さんがいることに気づいていたのですが、改めてて停車して取材してみました。
ダムに沈んだ「北山第二小学校」の記念碑(祈念碑?)ということでした。
小学校が二つもあった…ということ自体に驚いたわけですが、もしかしたらもっとあったのかもしれません。国が狂ったように“育林”していた時代には。
その後の輸入木材の自由化、林業の衰退、ダム建設、土木需要の増加、ダムの完成……頭のなかがフラッシュバックしてくらくらします。
“現場”を消費する傾向がある、アウトドア事業者である私たちにも重要な役割(できること)が、あると考えるわけです。
秘湯、湯の口温泉07.04.29
お世話になっている湯ノ口温泉。湯治場、秘湯です。
思えば20年近く前、初めての仕事でこの地を訪れたとき、「あ〜 カヌーというあそびには温泉がついているんだ…」という、一つの事実を実感させていただいた、すばらしい温泉です。
それから何度、この湯に浸からせていただいたことでしょうか?
昔は石鹸しか置いてなかったのに、最近はボディーシャンプーも設置(でも一つだけ)してあります。すごい!サービスの向上です。山村の秘湯という意味では、お手本のような湯ノ口温泉。湯治客はもちろん、観光客にもよく知られているようで、GWは満員でした。
ここのところ、話題のトロッコ列車が稼動していないので、ちょっと魅力不足…と、知り合いがもらしていました。残念です。
トロッコ列車の復旧も一大事ですが…
でも、湯ノ口温泉、あまり便利にならなくていいです。今の風情を大切にしてほしいと感じてしまいます。「カヌーしに来たんか?」と、地元の方に話しかけられる、この温泉の空間が大好きです。
紀和町 湯元山荘 湯ノ口温泉
http://www.ztv.ne.jp/irukaspa/yumotosansou/index.html
丸山千枚田にある巨岩07.04.29
GWなみまくら研修の続き。
紀和町に入って、田んぼに水が入ったころと想像し、著名な丸山千枚田へ。
思っていたよりも観光客が少なく、ちょっと歩いてみることにしました。
すると当たり前ですが、クルマで移動するのとは異なったゆったりとしたスピード感とともに、事象や景観がすーっと自分の身体に入ってきます。
斜面の中腹にある巨大な岩石(写真)。
千枚だのド真ん中にあり、歩いているとそのスケールに驚いてしまいます。
棚田はこの石を元からあったような、なかったような感じで、そのぎりぎりの境界線まで存在しており、この石をどのように眺めながら、地域の皆さんは農作業をされているのか、思いをめぐらせてしまいます。
新宮のゴトビキ岩をはじめ、花の窟など巨岩信仰と熊野の結びつきは、いろんな先生方が立派な論文を発表されています。「原始宗教」といわれるもののなにかが、この丸山千枚田の巨岩にもあるような気がします。
棚田と巨岩。
永くここで暮らし、耕すならば、この巨岩とどのような語らいが生まれるのでしょうか?
(財)紀和町ふるさと公社「丸山千枚田」
http://www.za.ztv.ne.jp/furusato/senmaida/senmaida00.htm
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